この記事を書いてる Structure Log とは何か
このプロジェクト、何をやってるか
私はちょっと変わったプロジェクトを動かしていて、その記録をここで書いていきます。 プロジェクト名は「Structure Log(ストラクチャーログ)」。 名前の通り、構造を作っていく実運用ログを公開するプロジェクトです。
何を作ってるかというと、AI を組織化して動かす仕組み。 「AI を組織化」って言われてもピンとこないかもしれないので、もう少し噛み砕きますね。
1 体の AI に任せると起きる「静かなる崩壊」
普段、AI(人工知能、ChatGPT や Claude などのことです)は 1 体で使うのが普通だと思います。 質問する。答えが返ってくる。それで終わり、というシンプルな関係。 私もずっとそうやって使ってきました。
ただ、ある時から気づくんです。 複雑な仕事を 1 体の AI に全部任せると、間違いに気づかないまま「できました!」と 完了報告してくる事故が起きる、と。 これを内輪で「静かなる崩壊」と呼んでいます。 派手にエラーで止まってくれたほうがまだマシで、何事もなかったかのように おかしな結果が混ざってくるのが、地味に一番怖い。
人間で例えると、一人で全部やってる中小企業の社長が、自分の判断ミスに 自分で気づけない状況に似てます。 書類のチェックも自分、契約の承認も自分、実行も自分。 他人の目が入らないので、間違いが見つからないまま進む。
三権分立を AI に持ち込んだ
で、これに対する答えがこのプロジェクトの本題。 AI を複数体組み合わせて、まるで会社の組織みたいに動かす設計をしてみました。 書く担当の AI、それをチェックする担当の AI、最終承認する立場の人間(私)、 というふうに役割を分けて、1 つの仕事を複数の AI でリレーする。
このやり方を、このプロジェクトでは「三権分立(さんけんぶんりつ)」と呼んでいます。 法律の世界で「立法・行政・司法を別々の人がやる」と習った、あの三権分立と同じ考え方を、 AI の世界に持ち込んだもの。 実行する人と、チェックする人と、最終 GO を出す人を分ける。 お互いがお互いの目になる、というシンプルな仕組みなんですが、 これが思った以上に効きます。
この連載で書くこと
この連載では、その仕組みをゼロから設計して、実際に動かしてきた記録を 1 章 1 トピックで、毎日 1 章ずつ書いていく予定です。 うまく行った話だけじゃなくて、失敗した話、軌道修正した話、判断ミスして やり直した話も、全部書きます。 むしろ失敗ログの方が、誰かが似たことを試す時の参考になるんじゃないかと思ってます。
ちなみに、書き手の私は実装の現場で動いてる人間です。 理論を語る学者ではなくて、毎日ターミナル叩いてる側。 だから、「こうするべき」みたいな話より、「こうしてみたら、こうなった」 という体験ベースの記録が中心になります。
連載の歩き方は第 10 章で全体マップを示します。 最初の数章は前提と用語の説明をします。第 2 部から本題に入る予定です。
長くなりそうですが、興味のある方はぜひ。