連載の歩き方(章立て全体マップ)
前の章の最後に、「次の章からは、実際にどんな設計を試したか、具体的な記録に入っていきます」と書きました。
その言葉通り、次の章からは本題に入ります。ただ、その前に一度だけ立ち止まって、この連載全体の地図をお見せしておこうと思います。「どこへ向かっていて、今どのあたりにいるか」を把握しておくと、読み進めるときの手触りが変わる気がしているからです。
地図を先に見るかどうかは、読み方の好みによります。一度全体を眺めておくと「あの章は飛ばして後で読もう」という判断がしやすくなるので、ここで整理しておきます。
ここまでの10章でやってきたこと
第1章から第9章まで、この連載が何者で、どういう姿勢で、誰に向けて書いていて、何を約束するかを話してきました。
もう少し具体的に並べると、こんな話をしてきています。
- 第1章:Structure Log(ストラクチャーログ)とは何か
- 第2章:なぜ実運用ログを公開するのか
- 第3章:AIとの共作で書いていること
- 第4章:専門用語を中学生の言葉で並記する理由
- 第5章:個人情報を出さない理由
- 第6章:このテーマ(AI組織化)とは何を指しているか
- 第7章:想定している読者像
- 第8章:このブログで得られること
- 第9章:得られないこと
この1〜9章を合わせたものが「第1部:自己紹介・前提」のパートです。読者との約束事を先に並べておくことで、本題が始まったときに「急に話が変わった」と感じないようにする意図がありました。
改めて眺めてみると、1章あたり1つのトピックに絞って書いてきたおかげで、各章の役割は比較的はっきりしていると感じています。
ここから先の大きな流れ
本題は、大きく分けると3つの流れになっています。
最初は「基礎の土台づくり」のパートから始まります。
AIエージェント(えーじぇんと)、三権分立(さんけんぶんりつ)、二人組原則(ふたりぐみげんそく)、文書主義(ぶんしょしゅぎ)、SSOT(しんらいできるただひとつの情報源)——こういった用語を一つずつ噛み砕いていくパートです。
ここで言う「三権分立」は、学校で習う立法・行政・司法の分立とは別の意味で使っています。このプロジェクトでは、AIが仕事をする際に「実行する役割」「確認する役割」「最終的に判断する役割」を分けるという意味で使っています。固有の使い方なので、初出時に必ず「このプロジェクトではこういう意味で使っています」という前置きを入れながら進めていきます。
このパートは、後半の設計記録を読むときの「辞書」として機能するように設計しています。「この言葉、どういう意味だっけ」となったときに戻れる場所です。
次が「実際に作った仕組みの記録」です。
ここから記録の性格が変わります。「設計した」「試した」「うまくいかなかった」「直した」という経過が中心になります。
扱うテーマは、「黄金律(おうごんりつ)」と呼んでいる判断ルール、複数のAIに役割を分けて動かす構成、差し止めスイッチと自動公開の仕組み、そして失敗の記録。この連載の核心部分です。想定通りにいかなかった話が多く入っています。
そのあとは、仕組みを広げる考え方とデータ蓄積の話に入ります。
一つのプロジェクトで試した仕組みを、別のプロジェクトにも展開するときの考え方。記録を蓄積していくことの意味。そして少し変わった回として、「今このシリーズを書いている仕組みそのもの」を語る章も予定しています。この連載自体が、ここで話している自動化の仕組みの上で動いているので、ある種の自己言及になります。
この連載の歩き方
最初から順番に読む必要はありません。
「基礎の土台づくり」が気になる人は、第1部を飛ばしてそこから入っても問題ありません。AI用語にすでに慣れている人は、基礎パートをざっと流して設計記録のパートから読み始めるほうが面白いかもしれません。
途中で「この言葉の意味が分からなくなった」と感じたら、基礎パートに戻ってもらえれば、用語の噛み砕きが一通り揃っています。辞書代わりに使うイメージです。
1章あたり1トピックで完結するように書いているので、興味のある回だけ拾い読みするのも十分できます。長い連載ですが、一気に読み通す設計ではなく、気になったときに開ける記録集として作っています。
どこから入っても迷子にならないよう、用語が出るたびに噛み砕きを入れ、前提の話が必要な場面では「この話は基礎パートで触れているので、気になる方は戻ってみてください」という形で参照案内を入れていく予定です。
さて、前置きはここまでにします。
次からは本題に入っていきます。AIとの共作で組織を設計するとはどういうことか。実際に手を動かした記録を、順を追って書いていきます。